絹だより
第212号 〈平成23年11月1日〉

発行:社団法人日本絹業協会・ジャパンシルクセンター
ホームページ http://www.silk-center.or.jp/
 美容とシルク
株式会社絹工房 代表取締役 丸山 竜也

悠久の天然素材シルク

 皆さんもご存じのとおり、シルクの歴史は大変古く、数千年も前からシルクは人々にとって高級な天然繊維として親しまれてきました。その理由としては、独特な光沢、ドレープ感、手触り、軽さ、通気性、保温性、紫外線吸収、抗菌性等どれをとっても衣料素材として非常に優れた特性を持っているからです。

 これらの特性はシルクの原料である繭が蛹を保護するための「保育器」として機能するためであり、弊社ではこのシルクの持つ「保育器」の機能に着目し、シルクを使ったスキンケア商品の開発、販売を行っております。

化粧品

○美容とは

 近年の美容業界では「ナノ化」や「ピコ化」という表現で、美容成分を非常に細かい状態にし、肌へ浸透させて「しわやたるみをとる」「シミをとり、肌を白くする」等といった劇的に改善するような効果を謳った商品が目につきます。「いつでも、若く、美しくありたい」という女性の心理を思えば、上記のような表現で商品を勧められたならば、飛びつきたくなってしまうのも仕方ないことだと思います。

 ですが、それは本当に正しい“美容”なのでしょうか?本来、化粧品とは薬事法上の定義では「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。化学物質を肌に吸収させ、劇的に肌が変わることは「人体に対する作用が緩和」かつ「健やかに保つ」といえるのでしょうか?

 弊社では“美容”とは「自身が持つ肌の回復力をより発揮できるよう肌の環境を整え、衰えを抑制し、生まれ持った本来の状態の肌や髪に戻すこと」であると考えます。そのためにも、肌の環境を整えるための素材が必要であり、その素材として着目したのがシルクなのです。

○文化と地産地消

 弊社では原料のシルクは「日本産」というこだわりがあります。「衣・食・住」に共通して言えるのが、その国その地域ごとに特色があり、その地で採れた素材を使って作られた、風土に合ったものであるという点です。
 食べ物や住む場所や家、着る物等は、長い年月をかけてその地から生まれ、その地で培われてきたものであり、その地に住む人々に適しているのは当然のことなのです。スキンケアの観点からみてもそれは同じで、その地で生まれた素材がその地に住む人々に適しているのではないかと思います。現代では、社会の情報化、流通の発達に伴い、世界中から様々な情報や物資が日本に流入し、日本人のライフスタイルが大きく変動しております。こうした結果、昔の文化が廃れているのも事実ですが、逆に今だからこそ「昔ながら」の文化を見直し、地産地消の活性化に取り組むべきだと考えます。

 日本の絹産業も現在危機に直面しています。養蚕農家の高齢化に伴い戸数も激減しており、このままでは日本の養蚕が失われることとなります。それは単に産業が一つ無くなるのではなく、一つの文化が失われるということです。文化の死とはすなわち民族の死であると私は考えます。日本人らしさ、日本独自の様式とは、かけがえのないものではないでしょうか?だからこそ「国産」「産地限定」にこだわる必要があるのです。

○富岡シルクブランド協議会と「富岡シルク」

 群馬県富岡市では、富岡製糸場が世界遺産暫定リストに搭登載されたことに伴い、地域の養蚕の発展と需要拡大のために、平成20年5月富岡シルクブランド協議会を立ち上げ、富岡市内で生産された繭を全量買い上げて、「富岡シルク」という独自のブランドを確立し、富岡産のシルク繭を使った商品の開発、販売を行っております。従来の絹織物や工芸品に加え、最近では食品や化粧品など新たなジャンルの商品開発もされており、様々な商品を作り出しております。
 
○富岡シルク石鹸「雪繭トリートメントソープ」

 弊社も国産、産地限定を追及するために、平成20年12月から富岡ブランド協議会に加盟し、富岡産の繭を使ったスキンケア商品として現在「雪繭トリートメントソープ」の販売を行っております。

 弊社製品の開発のきっかけは独立行政法人農業生物資源研究所で研究開発された「フィブロインシート」(右の写真)でした。フィブロインとはシルクの繊維部分を構成するタンパク質ですが、このフィブロインシートは火傷や褥瘡などの傷口を保護するために有用な人工皮膚(創傷被覆材)として研究開発されたもので、シルクのもつ「保育器」のような生体を保護する機能を用いて、細胞成育性を高め、傷口の治りを早くするという素材でした。ところが、有用な半面、製造コストが非常に高く、取り扱いが難しいという理由で医薬品として陽の目をみることがありませんでした。ならば、スキンケア素材として活用できるのではないかということで、シルクのスキンケア商品として開発を始めたのがきっかけでした。

 この成分は従来のシルクの加水分解物とは違い、高分子で肌に対する定着性も高く、シルクが本来持つ「保育器」としての機能を発揮することのできる性状ですので、洗った後も、お肌に定着してお肌の潤いを保ち、細胞の成育を促してくれるのです。また、石鹸としても非常に機能が高く、お風呂場に置いても溶けず、最後の最後まで泡立ちの良い石鹸です。

雪繭トリートメントソープ
ゆもみちゃんver.(草津限定)
ぐんまちゃんver.

 現在は富岡製糸場の売店を始め、富岡市内のおみやげ物店で多数お取り扱い戴いている他、昨年からは温泉地で有名な群馬県内の草津温泉の女将さん会である「湯の華会」の特別推奨品として採用され、草津温泉の各ホテルやおみやげ物店でもお取り扱い頂いております。その他、群馬のマスコットキャラクターの「ぐんまちゃん」や草津の公式キャラクター「ゆもみちゃん」をあしらったパッケージで絹の里群馬ならではのおみやげ品としても好評をいただいております。また、シルク関連商品ということで、高島屋の日本橋、新宿、高崎、横浜、京都、大阪店の呉服売場で特別販売を行っております。

……………………………………………………………
【雪繭トリートメントシルクソープ
           に関するお問い合わせ先】
フリーダイヤル 0120-469-907(9:00〜17:00)
〒370-2316 群馬県富岡市富岡1052-10(本社)
〒300-1237 茨城県牛久市田宮3-2-1(茨城工場)



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平成23年度第4次分
純国産絹マーク使用許諾について

 純国産絹マークの平成23年度第4回審査会を10月20日(木)に開催しました。今回、15者(うち、新規使用許諾申請が3者で、新規製品が5品目、使用許諾されている者の製品の追加が5品目、生産履歴の追加が4品目、 生産数量の追加19品目)から申請があり、審査委員会で審査した結果15者に対し、10月31日(月)付けで純国産絹マーク使用許諾する旨を通知しました。

社団法人日本絹業協会
勝山織物株式会社
代表者名:勝山嘉夫 
(担当者:勝山健史)
京都市北区衣笠北高橋町30
Tel 075-461-1444
表示者登録番号 153
帯(金銀糸5%以上)    80本 蚕品種  あけぼの
繭生産  長野県飯田市養蚕農家
製糸   (株)宮坂製糸所
製織    自社
有限会社石川
代表者名:石川淳一
(担当者:石川治郎)
群馬県みどり市笠懸町鹿
        4453-11
Tel 0277-77-7250
表示者登録番号 154

後染型友禅
(新小石丸)
   28反 蚕品種  新小石丸
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   羽賀織物
染色加工 山彩

羽二重色無地
(ぐんま200)
   17反 蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   高橋絹工業(株)
染色加工 山彩

先染ジャガード織
(ぐんま黄金)
   10反 蚕品種  ぐんま黄金
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
染色   堀越染工場
製織   (有)森村織物工場
東朋株式会社
代表者名:酒井靖郎
(担当者:酒井靖郎)
京都府与謝郡与謝野町字
       上山田967-1
Tel 0772-42-3843
表示者登録番号 155
ストール   500枚 制作企画 北山杉染秀(ほずえ)
蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
撚糸   松村(株)
製織   自社
染色   北山杉染秀(ほずえ)
(生産数量の追加、製品の追加)
株式会社甲斐絹座
代表者名:前田市郎
(担当者:前田市郎)
山梨県富士吉田市下吉田 1503-4
Tel 0555-23-2280
表示者登録番号 149

スカーフ
(数量の追加)
  500枚
繭生産  山梨県内養蚕農家
製糸   松沢製糸所
染色   (有)石森染色
製織   自社
加工   自社
(製品の追加)
ネクタイ
  500本
(生産数量の追加、生産履歴の追加)
株式会社加藤萬
代表者名:加藤健治
(担当者:井口通太郎)
東京都中央区日本橋富沢町2-6
Tel 03-3661-7747
表示者登録番号 129



帯揚B

(数量の追加)
  200本
蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)一色テキスタイル
染色   (有)今井正染工
絞り   自社
刺繍   (有)西刺繍


帯揚A

(履歴の追加)
   200本
蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)一色テキスタイル
染色   染の川津
金彩   金彩綾錦殿村
刺繍   (有)西刺繍


帯揚C

(履歴の追加)
   200本
蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)一色テキスタイル
染色   (有)今井正染工
金彩   金彩綾錦殿村


帯揚D

(履歴の追加)
   100本
蚕品種  ぐんま200
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)一色テキスタイル
染色   染の川津
(生産数量の追加、製品の追加)
長島繊維株式会社
代表者名:長島秀武
(担当者:長島誠)
栃木県足利市旭町852
Tel 0284-41-7381
表示者登録番号 122

後染反物
 (着尺)

(数量の追加)

   33反

蚕品種  錦秋×鍾和
繭生産  東京都多摩地区養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   河芳織物(有)
染色   自社
(製品の追加)
後染反物
 (帯地)


   48本
蚕品種  春嶺×鍾月
繭生産  東京都多摩地区養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   河芳織物(有)
染色   自社
(生産数量の追加)
株式会社千總
代表者名:仲田保司
(担当者:俵武司)
京都市中京区三条通烏丸西入
Tel 075-211-2531
表示者登録番号 001


後染反物
(訪問着)

(数量の追加)

   50枚
繭生産  岩手県北部・南部、     
     青森県八戸養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織   加賀グンゼ(株)
染色   自社


後染反物
(訪問着)

(数量の追加)

   50枚
繭生産  岩手県南部養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織   加賀グンゼ(株)
染色   自社

後染反物
(振袖)
(数量の追加)

  180枚
繭生産  岩手県南部養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織    (株)竹林
染色   自社

後染反物
(振袖)
(数量の追加)

  90枚
繭生産   岩手県北部養蚕農家
製糸    松岡(株)
製織   (株)松浦絹織
染色    自社
(生産数量の追加)
株式会社高島屋
代表者:鈴木弘治
(担当者:宇野万貴子)
東京都中央区日本橋2-4-1
Tel 03-3211-4111
表示者登録番号 030

後染反物
(振袖)
(数量の追加)

   80枚
繭生産  JA那須南管内養蚕農家
製糸    松岡(株)
製織   美雲織物(株)
染色   (株)千總

後染反物
(振袖)
(数量の追加)

  150枚
繭生産  JA那須南管内養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織   (株)竹林
染色   (株)千總

後染反物
(振袖)
(数量の追加)

  100枚
繭生産  JA那須南管内養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織   (株)松浦絹織
染色   (株)千總
(生産数量の追加)
株式会社染織近藤
代表者名:近藤典博
(担当者:近藤典博)
岡山県岡山市北区丸の内1-7-3
Tel 086-226-5298
表示者登録番号 107

色無地
 (紋意匠)
(数量の追加)

     4反
制作企画 (株)千總友仙工場
繭生産  岩手県北部・青森県八戸養蚕農家
製糸   松岡(株)
製織   (株)竹林
染色   (株)千總

色無地
 (紋意匠)
(数量の追加)

     4反
制作企画 (株)千總友仙工場
繭生産  岩手県南部・北部養蚕農家
製糸    松岡(株)
製織   美雲織物(株)
染色   (株)千總

色無地
 (紋意匠)
(数量の追加)

    2反
制作企画 (株)千總友仙工場
繭生産   岩手県南部養蚕農家
製糸    松岡(株)
製織    美雲織物(株)
染色   (株)千總

(生産数量の追加)
山音株式会社
代表者名:山田純司 
(担当者:山田佳史)
京都市中京区三条通室町
       西入衣棚町41
Tel 075-221-3355
表示者登録番号 050

後染反物
(色無地)
 (変三越)
 (五越駒呂)
(数量の追加)


  400反
  100反
繭生産  JA多野藤岡管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (有)両輪産業、小熊機業(有)
染色   (株)丸亀屋
(生産数量の追加)
織匠万勝
代表者名:前田章
(担当者:前田健)
京都市中京区姉小路通堀川東入る
          鍛治町173-1
Tel 075-257-5747
表示者登録番号 026


帯地
先染着尺
 (訪問着)
後染着尺
(訪問着)
(数量の追加)

  300本

  150反

  300反
繭生産  JA佐波伊勢崎養蚕連絡協議会
製糸   碓氷製糸農協
染色   自社
製織   自社
(生産数量の追加)
株式会社坂本屋
代表者名:飯塚康二
(担当者:飯塚康二)
茨城県土浦市荒川沖西 2-12-3
Tel 0298-41-0007
表示者登録番号 005



胴裏絹
(ぐんま200、
灰汁浸け加工)
(数量の追加)
  120枚
制作企画 日本蚕糸絹業開(協)
蚕品種  ぐんま200
繭生産  群馬県内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   丸進企業(株)
精練加工 (有)江島屋染工場
(生産数量の追加)
株式会社京扇
代表者名:鈴木康裕
(担当者:鈴木康裕)
東京都中央区東日本橋3-6-6
     パークビル2F
Tel 03-3249-6001
表示者登録番号 061

胴裏絹
(ぐんまレピア、
パールトーン加工)
(数量の追加)

  600枚
制作企画 日本蚕糸絹業開発(協)
繭生産  群馬県内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)カブト  
精練   (有)江島屋染工場
加工   (株)パールトーン
(製品の追加)
株式会社芦田呉服店
代表者名:芦田孝子 
(担当者:芦田文雄)
京都府綾部市西町1-46-2
Tel 0773-42-0033
表示者登録番号 148
(製品の追加)
後染反物
(小紋)
 (変一越)
 (紋意匠)



   10反
   10反
制作企画 田中種(株)
繭生産  JA碓氷安中管内養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   南久ちりめん(株)、芝井(株)
染色   高田勝(株)
(製品の追加)
合資会社車屋呉服店
代表者名:吉原清次郎 
(担当者:吉原清次郎)
神奈川県横浜市南区大岡
         2-21-13
Tel 045-731-6108
表示者登録番号 119

(製品の追加)
後染反物
 (江戸小紋)



   10反
制作企画 (株)丸上
繭生産  茨城県南地域養蚕農家
製糸   碓氷製糸農協
製織   (株)匠
染色   (有)金田染工場
意匠   自社

 次回審査会の予定は平成23年12月12日(月)です。
  純国産絹マークの許諾を申請される方は、事務局との事前協議を経た上で、次回審査会の10営業日前(11月25日(金))迄に、「純国産絹マーク使用許諾申請書」を提出してください。


●イベント情報
 第21回絹まつり
◎ 日時:12月5日(月)から7日(水)  10:00から18:30
           8日 (木) 最終日10:00から17:00
◎ 場所:ジャパンシルクセンター 東京 有楽町 蚕糸会館1階
◎ 主催:社団法人日本絹業協会 ジャパンシルクセンター
……………………………………………………
 浜ちりめんウェディングドレス展
◎ 日時:11月14日(月)から24日(木) 10:00から18:00
            25日(金)最終日10:00から15:00
◎ 場所:ジャパンシルクセンター 東京 有楽町 蚕糸会館1階
◎ 主催:社団法人日本絹業協会 ジャパンシルクセンター

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