第63号(平成11年 2月15日)

人 気 シ ル ク 製 品 と
      セ ー ル ス の ポ イ ン ト

いつの時代でも、どのような世代の女性からも人気のあるシルク製品は、時代とともに変遷しています。
今回は、このシルク製品を販売する立場からエヌ・エスシルク株式会社の代表取締役 西重義氏にシルク製品のあれこれを解説して頂きました。〔編集部〕

エヌ・エスシルク株式会社
代表取締役 西 重義

[和から洋へ]

日本のシルクは長い間和装製品にその用途が占められていました。しかし、和装が生活様式等の変化により、その需要が減少してきました。特に昭和60年代に入るとこれまで消費の少なかった洋装部門へ需要の拡大が行われるようになりました。
それまでの洋装品といえば、ヨーロッパからの輸入の生地や北陸地方で生産される高級婦人服地が主なもので、価格もスーツで20万円以上、ブラウスで 5万円以上するのが普通で、一般消費者には高嶺の花と映っていたようです。
当時(昭和60年)業界では、洋装部門への模索の中で高級品指向を続けるか、大衆商品指向で行くか論議が二分されました。この頃先に述べた和装製品需要の低迷から、生糸の政府在庫量も膨大なものとなっていました。そこで、この生糸を消費するためには、大衆化の路線で歩むことになりました。当時はデーリーシルクという言葉が盛んに使われました。
また、シルク製品を気軽に着用してもらうためには、日本の気候風土が高温多湿であることからシルクの大敵「汗ジミ」が指摘されました。その対応として「洗濯のできる絹」のキャッチフレーズでシルクニット製品の開発が盛んに行われました。
市場が「大衆化された絹」を受け入れたことにより、アジアの絹大国である中国からまた韓国から価格の安い絹製品が輸入されました。
この外国からの安価な絹製品が、消費者にとっては今まで高嶺の花であったシルクを生活ライフの中に根付かせることを促進したのです。
一方で、これまでシルク製品は高価なもの、高級なものとして大事に取り扱ってきた消費者も、安価な商品を手にして馴染んで来ると安さだけではなく「洗濯機で洗えなければ嫌だ」「アイロンをかけるブラウスは面倒臭い」などと絹本来の持つ性質とは異なる要求も出てきました。

[日本の絹の再構築を目指して]

シルクが製品として最も大切なことは、素材・染色・縫製の三点にあります。
当社も、日本の絹普及を旗印に十年前に設立して以来、歴史の波にさらされて外国製品を取り扱ってきましたが、日本の色のでないもどかしさや素材、縫製技術などに合点がいかなくなり、日本の絹の再構築に手を染めています。
日本の絹を振興して行くには、高級化といった差別化の方向を再現することが必要と考え、埼玉県が育成したグリーンの繭『いろどり』を主体に日本の生糸を基礎にした物作りに着手しています。
勿論、安価な外国製の絹製品をどうこう言うつもりはありませんが、シルクをこよなく愛して下さる人々のために極分化して行く絹製品の高級化の片棒を担いで行こうと思っています。

[どのようなシルク製品があるか]

昭和60年代の初頭から今日まで無い物は無いと思われるほど幾多の絹製品が作られてきました。十年前の絹市場と比較するとこんなに多くのアイテムが絹で作られている姿を見て驚いていますが、ブラウスのデザイン等も変わって昔日の感がいたします。
シルク衣料品を分類するとおおよそ次のような分類になろうかと思われます。

=ファッション性の高い重中衣料=

ファッション性が高く、差別化商品と呼ばれるものでハンガーに展開される商品として、スーツ・ワンピース・ブラウス・ジャケット、セーター類、シルクニット婦人服・コート・ボトム類(スカート・パンツ等)・パジャマ・背広などが挙げられます。

=健康を重視したグッズ類=

肌ざわり、吸湿、放湿、保温性といったシルクの特性を加味した健康グッズで、婦人インナー(シャツ類・長下類・ショーツ・ブラジャー・スリップ・キャミソール等)、紳士下着(シャツ類・長下類・ブリーフ・トランクス等)、靴下ソックス類(絹 100%靴下・絹毛(綿)靴下・シルク綿混二重靴下・五本指靴下・パンスト等)、タオル類(浴用タオル・洗顔タオル・汗フキ・ハンカチ・バスタオル等)、ひざ当て、腹巻、敷布、石鹸、食べるシルクなどが挙げられます。

=装飾用やおしゃれ商品=

Tシャツ、タンクトップ、フレンチ、スカーフ、ネクタイ、ストール、ハンカチ、手袋、袋小物等です。

[売筋商品とセールスポイント]

=スーツ・ブラウス類=

素材はフラットクレープ(デシン)、サテン(朱子)、ジョーゼットクレープ、楊柳クレープ、ヘビーデシンなどの生地か使われていますが、デシンの素材が圧倒的に多いように思われます。
婦人服の普及面では、家庭で洗えるということが一つのセールスポイントになっていますが、素材やデザインによっては品質を損ねるものもありますので、よく販売員の説明を聞く必要があります。
販売の側からは、絹製品はドライクリーニングを奨めますが、どうしても家庭で洗濯をしたいということであれば、よく洗剤を確かめて頂きたいと思います。しかし、高級デザインのものやフリルの付いたものとか高級スーツ等は、家庭で洗濯をすると型くずれの原因となるのでクリーニング店に出すことが肝要です。
これらのハンガーものは、素材・染色・縫製が命と申し上げましたが、クリーニングをして初めて分かる素材の悪さや色落ち、縫製のホツレなどがクレームの原因となりますので、クリーニング店にも絹素材であることを告げる必要があります。また、多くの店はアフターケアのマニュアルを持っていて、洗剤・洗濯方法・乾燥・プレスの温度などを絹に適したものでクリーニングをしてくれます。

=靴下・ソックス類=

絹の靴下の素材では、絹 100%のもの、絹紡ぎ糸を使用したもの、絹と毛・綿の交編みのもの、表綿・裏絹のもの、ウレタンやナイロンを芯にしてこれに生糸を巻いた糸で作られたパンスト、ナイロンに生糸を絡ませた糸で編んだパンストなどがあります。形では五本指のものもあります。
絹の靴下は、通気性が良いので足が蒸れず、サラサラ感のため履き心地が良く、足の裏のツボを刺激し手足の疲れをほぐしてくれると言われています。
また、シルクの靴下は、保温性が良く足を温めることにより、体全体がポカポカとなり血行を良くする作用があり、腰痛、肩凝りにも適応していると言われています。五本指の靴下等は指の間の湿気を吸収し乾かすので水虫に良いとか、老廃物を除去し指を広げることによる刺激が体調を良くする働きをしていると言われています。冬に足が冷たく寝つきの悪い人が五本指の絹靴下や絹紬の靴下を履いて寝る習慣が相当普及しています。
絹の靴下を 2枚重ねて履く効用は、温熱効果を更に助長する方法として考案されましたが、 2枚重ねて履くのが面倒な人に表綿・裏絹の二重靴下が商品化されています。
パンストにでは、スレに弱い絹繊維の欠点をナイロンなど化学繊維の長所と絹の長所を生かして編まれたものがあります。これは 3足を交互に履いて 2か月以上使えると言う強いパンストで人気を呼んでいます。

=タオル=

シルクのタオルには、タオル地(パイル)で作ったもの、絹紡ぎ糸で編目に編んだもの、表絹・裏ガーゼのものがあり、洗顔用ハンドタオル、汗ふき用ハンカチなどが普及しています。
シルクのタオルには顕微鏡的な細かな繊毛があって、これが毛穴の汚物を掻き出してくれます。また、こまかな繊毛はブラシの働きをして皮膚を若返らせツヤツヤにします。靴磨きの最後にブラシをかけてツヤを出すのと同じ原理で、奇麗になった皮膚に18種のアミノ酸が融け出して祇園の舞子の肌を作ると言われています。
絹のハンドタオルは洗面所のタオル掛けに常備していただき、洗顔後、お湯で絞ったタオルで顔を左右にマッサージして下さい。功を焦ると真っ赤になりますから徐々に慣らしていくようにします。
絹のタオルの一番の欠点は、最初は泡立ちが悪いことです。絹糸の表面のニカワ質が除かれて繊維質が出て来ると泡立ちが良くなりますが、ここまで約 1か月は石鹸を馴染ませて使用することが肝要です。

=ひざ当てと腹巻=

ひざが痛い、水がたまりそうだと言う人々にシルクのひざ当てをお奨めします。
ひざを暖めると体全体がポカポカになる温熱効果とひざ自体を保護する働きがあります。
絹のひざ当ては通気性が良いので真夏でも凌ぎ易いのが特長です。
腹巻は、腰の痛み、ギックリ腰予防、冷えなどの防止に男女を問わず売れ筋商品です。
腹巻も通気性が良いので真夏の着用にも支障が無く、長く使用できるのと価格的にもお手頃商品として「敬老の日」などのプレゼントに利用されています。


イ ベ ン ト 情 報

第 4 回 「 真 綿 の ヴ ィ ジ ュ ア ル ・ ア ー ト 」 公 募 展

◆真綿をより身近に多くの皆様にご理解頂くために募集した個性豊かに表現された入賞作品の展示発表会

主 催 財団法人日本真綿協会

日 時 2月23日(火)〜2月26日(金)

午前11時〜午後6時まで

ただし最終日は午後4時で終了

場 所 世界観ギャラリー 千代田区神田小川町3-28-13

お問い合わせ:ギャラリー間瀬 03-3233-0204

交 通 JR「お茶ノ水駅」下車出口:聖橋口より徒歩5分


シ ル ク 春 一 番 セ ー ル

シルクのいろいろな製品をお求めやすい価格でご提供!!

場 所 ジャパンシルクセンター 千代田区有楽町1−9−4 蚕糸会館1階

お問い合わせ: 03-3215-1212

日 時 2月16日(火)〜2月19日(金)

午前10時〜午後6時まで ただし最終日は午後5時で終了

交 通 JR「有楽町駅」下車 地下鉄「日比谷駅」下車 共に徒歩5分


ハ イ ブ リ ッ ド 絹’99 展

健康に一番、着心地一番、そして何よりも素敵が一番の『シルクの一番』を魅て下さい。

場 所 有楽町:蚕糸会館6階

日 時 2月16日(火)〜2月18日(木)初日13:00〜17:00

17・18日10:00〜17:00

交 通 JR「有楽町駅」下車 地下鉄「日比谷駅」下車 共に徒歩5分

主 催 シルク開発センター