第65号(平成11年 4月15日)

’99秋冬「東京コレクション」リポート
シルク&毛皮のファッションに注目

毛 皮 を 使 っ た コ ー デ ィ ネ イ ト が 増 加
『 羽 織 る 、 か ぶ る 』 な ど 様 々 な フ ァ ー 使 い で、
コ ー デ ィ ネ イ ト に ア ク セ ン ト を

ファーバッグにファーブーツ。 『ツモリ・チサト』は多くの毛皮 アイテムを秋冬物に。

あくまでもファーを若々しく料理した『ヒロミチ・ナカノ』

近年、主流になった「リアルクローズ」に飽きたら”ファー”(毛皮&毛皮製品)をアクセントに加えたらいかがだろうか。従来のイメージでは「ゴージャス」「ラグジュアリー」といった言葉が”ファー”に当てはまっていましたが、東京コレクションで提案されているものは「カジュアル」なもの−−。フォックスを羽織ったり、ポイントでラビットをトリミングするなどが主だった訴求です。ここで各メゾンのファーアイディアを振り返ってみましょう。
光沢のあるシルクを織り混ぜたシルクシャンタンやシルクシャンブレーをはじめハンドクラフト調のアイリッシュ・ツイードや布帛、ニットなどと組み合わせて、毛皮を軽快に見せる提案が増えています。短く刈り込んだ毛皮をツイードコートの袖、襟に配したりプルオーバーを毛皮で作り込む仕様です。コーディネートが重くなりがちな秋冬物にぴったりなアクセントといえるでしょう。また、光沢のあるシルク系の生地とも相性がよく、今後ますますシルク&毛皮の需要が増えることが予想されます。
そのほか、三色に染め分けたフォックスをジャガードニットの前身頃にあしらった提案やストール状のラビットを頭巾のようにかぶるのが変わったところです。もちろん、ジャケットの上にフォックスを羽織る提案も増加傾向を示しています。
毛足の長いコートのヘムに配置した「ヒロミチ・ナカノ」が代表的です。毛皮を従来にない”若々しさ”に仕立てているのが特徴といえます。
小物ではポシェット、ボディーバッグ、マフラーを毛皮で製作しています。マフラーとバッグを同じ毛皮で作り込んでコーディネートしたり、染め方を変えて色で遊ぶ提案も面白い手法です。「ユキ・トリイ」の斑(まだら)染めマフラーや「ツモリ・チサト」が打ち出したファーベスト、ファーグローブが目を引きました。表革やシープスキンと同じ感覚で毛皮を料理しているのが各メゾンの特徴です。また「ミス・アシダ」「タケオ・ニシダ」などエレガント系のブランドをはじめ、ストリート系、はたまたクラブ系のブランドにまで毛皮トレンドは浸透しています。クラブ系ブランド「ラッド・ミュージシャン」でも毛皮のジャケットが登場し、毛皮の重要性が更に高まっています。

布帛やニットと同じ感覚で毛皮を着こなす「ユキ・トリイ」

「ラッド・ミュージシャン」毛皮をクラブテイストにアレンジ


シ ル ク の ア フ タ ー ケ ア

春爛漫の季節となりおしゃれをして外出の機会の多いこの頃ですが、シルクと長く付き合うためには、日頃の手入れが肝心です。
シルクと上手にそして気軽に付き合う手軽なお手入れの方法をご紹介します。

1.外出から帰宅したら。

帰宅したらまずポケットの物を全部取り出しましょう。ポケットに物が入ったまま収納したりハンガーに掛けっぱなしですと形崩れの原因になります。

チリをよく払いましょう。

強いブラッシングは禁物です。柔らかなブラシで織り目(布目)に沿ってチリやホコリを柔らかく払い落とします。きものの場合にはビロードの小ぶとんでチリを払いましょう。
チリやホコリをそのままに収納するとシミや変色の原因になることがあります。

ハンガーに掛けてぬくもりを取りましょう。

外出から帰ったら、風通しが良く、直射日光が当たらない場所に吊しましょう。
このことは、体のぬくもり、汗などによる湿気を払うこととある程度のシワ伸ばしの効果もあります。
ハンガーは、針金ハンガーなどは避けてスポンジなどで覆った物を使って下さい。形崩れの原因となることがあります。

2.アイロンの掛け方

シルク製品のアイロン掛けは、必ず木綿などの当て布をして、温度は130℃程度とすることが大切です。スチームアイロンの場合には、水などの汚染のためにシミになることがありますので、アイロンの水の状態を良く調べてから行って下さい。
薄地のブラウスなどの場合、アイロンの圧力を強くするとモアレ現象(木目状の縞模様が発生すること)が発生することがあります。また、湿った状態で摩擦を与えると毛羽立ちが生じることがあるので注意しましょう。

アイロン掛けは布目に沿って

アイロンは出来るだけ織物のタテ糸、ヨコ糸の方向に沿って掛けます。その際、タテ糸かヨコ糸の太さが違う織物では、太い糸の方向にむけてアイロンを掛け始めると美しく仕上がります。

3.汗やシミの処理

汗やシミが付いたまま放置しますと黄変したり生地が弱くなるので、着用後には必ず点検をして下さい。汗やシミが付いていた場合には必ずシミ抜きやクリーニング店に出すなどの手入れを行って下さい。

シミをつけた場合にはすぐ処置を
食べこぼしのシミの抜き方

1.ティシュペーパーなどでつまみ取るか吸い取るなどして汚れを広げないようにします。
2.乾いたタオルの上に染みの付いた方を下にして乗せ、上から水でぬらしたオシボリなどで軽く叩出して汚れをタオルに移します。強くこするのは禁物です。このとき収縮や脱色に注意します。
3.食器洗い用の洗剤は油分を良く落としますが脱色することがあるので注意しましょう。
油分の多いシミ、色の濃いシミ、香水、化粧品のシミなどはクリーニング店に相談した方が良いでしょう。


イ ベ ン ト 情 報

「 華 麗 な る 能 装 束 の 美 」 特 別 展

能装束は伝統ある日本の芸能衣装の中で、もっとも絢爛豪華です。
今回の特別展示は、山口能装束研究所などの協力を得て、大名家に代々伝えられてきた江戸時代の能装束36領と養蚕から装束復元にいたる工程などの250 余点の資料を展示しています。

◎主 催:横浜シルク博物館、朝日新聞社

◎開催日:4月10日(土)〜5月16日(日)

◎場 所:シルク博物館 横浜市中区山下町1 シルクセンタービル2階

最寄り駅 JR・地下鉄『関内』駅 下車徒歩10分

045−641−0841

◎入場料:一般 800円、高・大学生 200円、小・中学生 100円

(20名以上団体割引、65才以上割引あり)


『 日 本 絹 の 里 』 第 2 回 企 画 展 示

江戸時代から現代までのいろいろな蚕や繭の変遷、蚕種製造の手順、蚕種育成の歩んだ道などを展示

◎主 催:群馬県立絹の里

◎開催日:4月25日(水)〜6月7日(月)

◎場 所:日本絹の里 群馬県群馬郡群馬町大字金古 888−1

027−360−6300