第89号(平成13年6月1日)

発行: 社団法人日本絹業協会・ジャパンシルクセンター

ハローようこそ絵染め展へ

日本絵染め協会給染め家元

菊地エミ(ワシントンOC在住)

 折しも展示会の数日前に2001年公示地価の発表があり、「有楽町1-9-4」は、「銀座」「丸の内」の某スポットに続き、堂々第3位のランキング。ホットな場所での展示会ですから、光栄も極まりました。

「絵染め展」会場の前で菊池エミさん

 確かに絹は、古代から日本の経済の歴史に深くかかわっています。その会館がたまたま一等地にあるというのではなく、歴史的に絹の流通を中心としその界隈が一等地に育っていったと考えるほうが的を得ているかもしれません。

 なるほど、わずか五日間の会期中にシルクセンクーに立ち寄られたお客様の国籍はアメリカ、中国、イギリス、ドイツ、スエーデン、そしてわが日本。国内も各地からのご来館で常時にぎわい、つくづくここは日本の玄関だなあと感じ入りました。

 日本の顔のような場所に、どんなふうに絵染めを展示したものか、あれこれ思案のあげく、結局は作家の人格そのままでした。

シューウインドーに飾られた作品

 そもそも絵染めは40年近く前に母が始めて以来、今は姉妹二人のアイディアで試行錯誤を重ねつつ、少しづつ腕前も上げているわけで、

1)まずは、この一等地に置いて恥ずかしくない作品群。遠くからも見えるように畳み一枚大の絹のタペストリ−を7点作りました。

 作家は自画自賛ですから、結構満足のゆくEMI KIKUCHIブランドの自信作です。ピカピカのガラス張りのショーウインドーの中で、赤いポピー畑と野に舞う蝶が映えました。

2)そのほか季節感のあるもの。春爛漫のころ、春色の花々のデザイン、もちろんすべて絹100%でショールやパラソルブラウス、ネクタイ、袋物に絵染めしました。

3)花と対照的に、グラフィックな星座のデザインをクッションやコースターに。金銀でポップな絵染め。

4)さらに、絵染めってどんなものか、一目「なるほど」と分かるように絵染めの手順を8コマの分解図にしました。

5)「実演コーナー」やお客様参加の「寄せ書きコーナー」も。ここでは「小学校を卒業してから絵の具なんかさわっていないから、描くのなんかイヤだ」と押し問答のあげくになんとか座っていただいて、絵染めをむりやり体験。

 小学校のころに戻るなんて素晴らしい。いざ筆を持たれると、あら不思議、皆さんお花や素敵なメッセージがいっぱい。暖かい寄せ書きで、白い大きな絹のスカーフが色とりどりに埋まりました。瑠璃色で書いた「お茶しませんか」なんていうメッセージもありました。

6)その他、抽選会などなど

 というように、具だくさんの碇ぜ御飯のような展示会とあいなり、陽気な姉妹二人でやっているので、こうなるのが必然かと思います。

会場で講習をする菊池エミさん(左)

 現在、私は長年住み慣れたワシノトンの一隅で、あまたの国籍の人々に囲まれながら、次回の展示会のために色々アイディアを暖めています。その折りには是非ご来館、応援おねがいします。


ハイブリッド絹展’01開催報告

      シルク開発センター 藤田隆男

<はじめに>

平成12年度のハイブリッド絹展を平成13年2月13日〜15日の期間、東京・有楽町の蚕糸会館において開催したのでその結果の概要を報告します。

 この展示会は、平成2年に第1回を開催以来、今回をもって11回を教えます。

 回を重ねる毎に、関係者の間においてはもとより、一般の方々にも一定の関心事として定着しつつあるあるように思われます。

 わが国のシルク産業に関する発信所の一翼を担うイベントとして一層の充実を期することとしております。今後とも関係所方 面のご教示、御支援を切望している次第であります。

<各コーナーの特徴>

展示会場は、例年出展品を5個のジャンルに分類し、各別にコーナーを設けて、来場者に特色をより深く、正しく理解していただこうと工夫しています。

 以下にその特色を簡単にコメントしてみましょう。

地域ブランドに飾られた様々な製品

■特別出展コーナー

 特別出展のコーナーには、3者に出展頂きました。

 清水学園専門学校からは、「江戸時代から現代にいたるきものの移り変り」を出展いただきました。3歳女児のぼかし刺繍振袖、7歳児古代縮緬祝着等時代ごとのきものの変化していく様を楽しく鑑賞できるコーナーとなっていました。

 日本生糸販売農業協同組合連合会からは色無地きもの「ブランドシルク詔龍」等が出展されました。

 千葉県養蚕農業協同組合連合会からは、平面絹を用いたウェディングドレスの出展が注目されていました。

■試作研究者出展コーナー

 本年度に試作研究者に提供したハイブリッドシルクは「キュプラトシルク」で、平成10年度以来3回目です。

 この素材はキュプラを芯、シルクを鞘とする引揃え繰糸のスーパーハイブリッドシルク(SHS)で、この両素材はいろいろな性質が相似し、かつ、他方にない好ましい性質を有するという巡り合わせであったこともあり、“かなりいける”との評価を得ています。

 このSHSを用いた試作研究の作品も、パフェティーに富んでいました。

 ショール、マフラー、肌着、婦人服地、紳士服地、等は多くの試作研究者が作品として出展されました。

 ゆかた、ケット毛布、塩縮プリント服地、ケミカルレース等の作品が多くの関心を集めていいました。

 総じてみると、この素材の可能性は小さくないとの評価でありました。

■試験研究機関出展コーナー

 11の試験研究機関から御出展頂きました。

 蚕糸・昆虫農業技術研究所からはシルクウェーブを用いた「行灯」、「スタンド」、や繭毛羽を加工した手芸品、絵画の出展がありました。

 蚕糸科学研究所からは、テンセルとのスーパーハイブリッドシルクを用いたブラウス、スーツ、ジャケット、ハーフコート等の出展があり、手触り感がしっかりしているところところが好評を得ていたようです。

 栃木県繊維工業試験場から、フルカラーのゴブラン織物の出展。

 群馬県繊維工業試験場から、極細繊度の生糸「はくぎん」を用いたスカーフ。

 群馬県繭糸技術センターから、ストール等。

 岐阜県生物産業技術研究所から、繭毛羽ガラ紡糸使いの紳士ジャケット。

 山梨県富士工業技術センターから、塩縮加工の婦人服地の出展がありました。

 このコーナーでは、繊維に関する試験研究機関が出展されるだけあって、製織技術面の興味を引く作品が多く見られました。

■地域ブランドシルク出展者コーナー

 全国各地から出展いただきました。

 規模、量の面では大量生産というわけにはいかないまでも、地域で根強く“仕事”としていきずいているブランドシルクは、国内のシルク産業の規模の拡大が期待薄の時代ではますます重要性をましてくることが見込まれます。

 このような背景を持った地域ブランドシルク製品の出展傾向は、“地域小回り型”とでも表現できる出展品が多く見られました。

 財布、札入れ、名刺入れ、帯地、ランプシェード、着尺、服地、ショール…等々これらに“共通項”を見出すことが困難というのが共通項です。

 今後とも、このジャンルのコーナーはこのような傾向が続くものと見込まれます。

大勢の来場者でにぎわう会場

■一般出展者コーナー

 このコーナーは、バラエティー豊かな作品ないいまアイテムの出品が目立つコーナです。

 ハイブリッドシルクが開発された初期から婦人用ストッキングを製造販売しているメーカーの出展をはじめとして、絹フィブロイン分解物等を成分とする入浴剤、絹を主成分とする障子紙等が出展されました。

 今回の一般出展者コーナーでは、通信販売の会社の出展があり、アイテム数の多さにおいて過去最多となりました。紫外線対策グッズ等多数のアイデア製品が出展され入場者の目を集めていました。

 つむぎ製法技術を研究している研究会からは、野蚕糸(黄金色)使いのツーピース、天蚕紡ぎ糸の手織り地を用いた名古屋帯、草履、和風バッグ、トートバッグが出展されその美麗さに感動する来場者も多かったようです。

<おわりに>

 21世紀の初年に開催するハイブリッド絹展ということで、来場される方々も、いわゆるシルク業界の方々はもとより他の分野の方々も多数に上りました。

 会場に特設した喫茶コーナーでは、出展作品の制作段階での苦心談や今後の計画を話し合う等、さらには製品の入手、買い入れ販売についての話し合いが幾組となく見られました。

 この展示会の主たる目的は、作品の評価研究、及び技術的な検討等を促進することであり、したがってコマーシャルベースの話をこの会場において進めることは積極的な目的とはされていませんが、この問題は今後の検討課題であろうと思われます。


イ  ベ  ン  ト  情  報

〜 第67回グランマルシシェ開催 〜
色とりどりのスカーフ、貴女の夢と健康の源・インナー、
身も心も軽くさせるブラウスやスーツなど様々なシルク製品を
お手ごろな価格で品揃え、ご来店をお待ちしています。

と き

7月2日(月)〜5日(木)
午前11時〜午後7時まで。

ところ

丸の内仲通り ジャパンシルクセンター

お問い合せ先

ジャパンシルクセンター
東京都千代田区有楽町1‐9‐4
蚕糸会館1階

Tel 03‐3215‐1212

〜 寿ぎのきものとお茶席のきもの 〜
ブランドシルクの詔龍ちりめんなどをまじかに見てみませんか?

と き

6月29日(金)〜30日(土)
午前10時30分〜午後5時まで

ところ

蚕糸会館6階特別会技 
東京都千代田区有楽町1‐9‐4

主 催

日本生糸販売協同組合連合会・小長谷織物(丹後縮緬メーカー)
協協賛(社)日本絹業協会

〜 tactique/matsuoka VISION 〜
国産生糸にこだわった松岡が上質な
カジュアルライフの提案をしてみました。

と き

7月4日(水)〜6日(金)
午前10時〜午後6時まで

ところ

蚕糸会館6階特別会場 
東京都千代田区有楽町1‐9‐4

主 催

松岡グループ(製糸、織物、縫製加工の
企業グループです)
タクティック&カンパニー 

協 賛

(社)日本絹業協会

編集協力:農林水産省畑作振興課/農畜産業振興事業団